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思いつきほったて小屋的ブログ

超趣味に走る雑記帳改め小屋的ブログです。
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自作小説その1の2

2006/12/27(Wed)12:44

前の続き第二段。「天に届け銀の柱-2-」です。まあ、短いです。前回と同じくらい短い。


「天に届け銀の柱-2-」


 沈み行く太陽が、カナの横顔を赤く染めていた。魔方陣をじっと見つめていたヒラは、一通り読み終えたのか顔を上げた。その表情は険しい。

「これ、呪いだよね」
「そうだよ。でもただの呪いじゃない。みんなが幸せになる呪いさ」

 カナは満面に笑みを浮かべ自信を露わにして言ったが、ヒラは素直にその言葉を信じることができなかった。

 呪いとは、魔術の中でも禁じ手に近いものとして扱われる。その大きな理由はその自発性。まず、魔術は白魔術、黒魔術、精霊魔術と大別される前に、魔術を行使する際に術者が必要か、必要でないかに分けられる。前者を使役性魔術、後者を自発性魔術と呼ぶ。また、後者の別の呼び方が、呪いなのである。
 術者が施行の可否を決定する必要なく、呪いは発動する。つまりは、始めに書かれた術式通りの効果を、術式にそった時間と場所で、発揮する。つまりは、通常、術者がその場で理解し回避する些細なミスでさえ実行に移すことがある。
 簡単な例えとしては、術者は味方を攻撃しないが、呪いは味方も攻撃する。という話がある。

「理論上は成功するって言っていたけれど、成功したらどうなるの」

 ヒラは呪いに属する魔術が好きではない。呪いは主に戦場で使われ、多くの人間の命を敵味方関係なく奪っていることが多い。しかも、その時犠牲になるのは前線に出ている兵や巻き込まれた民間人がほとんどで、指導者層は味方にも多少の犠牲が出るがそれ以上の効果が出るということで、呪いの使用を黙認している。ヒラの両親は、戦場になった町からの非難途中に、呪いに巻き込まれ帰らぬ人となった。一足先に、別のルートで避難所についていたヒラだけが生き残ったのである。そうゆう経歴があるために、ヒラは呪いに対し、強い嫌悪感を抱いている。
 カナはヒラのそういった事情を理解している一人だった。ただ、カナが専攻しているのは、自発性魔術。つまりは呪いだった。

「時間が止まるんだ。町全体の、草も木も動物も、鳥も人も、土も水もありとあらゆるものの時間が止まる。発動する条件はちょっとばかし難しいけれど、まあ、なんとかなるだろう」

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