初めてのブログということだけど、とりあえず細かく考えた小話とかを置いていこうかと思っています。
二次創作が中心になると思うので、読むときは注意してくださいね。
「零れ落ちる青――1――」
青空が本当に雲も無く真っ青に晴れ渡っている時、それを鏡のように映す海は空と同じかそれ以上に青く澄んでいる。
「うっわぁ! すっげえ!」
眼前に広がる大海原を前に、興奮を抑えきれず柵から身を乗り出し少年は声をあげた。その背中を腰に手を当てながら、呆れ眼で眺めていた少女はため息をついた。
「ガキ。ほんっと、あんたってガキよねー。海を見たぐらいでこんなに騒いじゃって」
頭上から降ってくる余計な一言に気分を害された少年は、眉をしかめて後ろの空を仰いだ。真っ青な空の中に雲が浮かぶように、少女はふわふわとほうきにまたがって漂っていた。すました顔でほうきの上で器用にねっころがると、少年を鼻で笑って見せた。
「別にいいじゃねえか。初めて見るんだから驚いたって当たり前だろ」
滅多に羽目をはずさないだけに、その様子が見られたことが悔しいのか少年の頬は少し赤くなっていた。
「あたしはもう前に見たもん。クレスに、ミントに、クラースだってもう前に見ちゃったもんねー」
少女がつらつらと読み上げた名前に、少年はまた眉をしかめた。その中には彼が幼い頃からの親友も混じっている。
――俺だけ・・・か。
親友は自分と違い過去に行き、その間に沢山の物を見て、成長もした。
帰ってきてからは自分も旅に加わったが、どうしても自分が後から旅に加わったという、どこか取り残されたような気持ちを感じることが多かった。
今も。
少しだけ胸が痛む。
「・・・・・・お前って本当に嫌味だな。ま、いいけどよ」
「ありゃ? 今日はつっかかってこないの」
にらむというよりはどこか呆れを含んだ視線を少年は空に投げた。そして、またさっきと同じように海を眺めた。少し張り合いの無い対応に、少女も興味を持って少年が眺めている海を見た。
「見てみろよ」
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