:またネタ出し:
「管理者は、森の意思を汲み取る。管理者は森の意思を民に伝え、民は森の意思を尊重しながら発展する。これが、森林都市アスダラの歴史と決まりだ。森は沈黙を守り続けるだけの存在ではない。森は資格あるものに声を伝え、古の時代より共存を望んできた。少なくともこのアスダラでは」
「わかってます、おじいさま」
「本当にわかっておるのか? 声を聞くことはお前が考えているよりもずっと重いのだぞ。そして、管理者の資格を有する血族として周りから求められるものも自然と多い」
「だって、おじいさま。小さい頃から何度もそれを聞かされてきたんだよ。いい加減慣れるし、復唱も出来るって。結局は、何事もやらない内には始まらないだろ」
「おぬしの言葉遣いもどうにかならんか? 森に対しても無礼な言葉遣いだと・・・」
「小さい頃、言葉遣いなんて森は気にしないって言ったじゃん」
「正確には違うわい。森は表面上丁寧な言葉遣いでも、心のうちを読む。誠意が必要なのだと説いたじゃろう。決してそれは言葉遣いが悪くてもいいということではない」
「・・・・・・はい。わかっております」
「誠意が全く伝わらんのう・・・。まあ良い、明日はお前が初めての儀式の日じゃ。心してかかるがよい」
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