:やりたかった本題です。木質系廃棄物、もとい木質バイオマスについて簡潔にまとめたいと思います。参考図書◆原後雄太+泊みゆき:『バイオマス産業社会』、築地書館株式会社:
◆木質系廃棄物の定義
「樹木の剪定枝葉や間伐材、おがくず、樹皮、わら等の植物系の廃棄物と、家屋の解体廃材や大型の家具、廃材などの建設系の木材廃棄物の総称」である。製材、合板、家具工場など木材加工の段階で発生するもの、物流・建設の産業分野で発生するもののほか、林地残材、事業所から排出される紙くず、一般家庭からの家具などの粗大ゴミがある。
◆木質バイオマスの定義(P7)
薪炭材、枝葉などの林業廃棄物、間伐材、端材等を指す。
⇒木質系廃棄物と木質バイオマスはほぼ同義である。これ以後は両者を合わせて木質バイオマスとする。
◆木質バイオマス利用の例
木質バイオマスの形態により利用の可能性を以下に分けた。
・廃材、端材、チップ:燃料、敷料、木タイル、紙・パルプ、木質ボード、木質複合材料
・木粉(おがくず):敷料、キノコの培地、ペレット燃料、木炭、成形材料、生ゴミ処理、木質ボード、生分解性プラスチック、発泡体・接着剤、爆砕飼料、成分利用(アルコール等)
・樹皮:敷料、燃料、堆肥等、重金属捕集剤
・建築解体材:燃料、紙・パルプ、木質ボード
・古紙:再生利用、断熱・防音材料、成形材料、古紙ボード
【参考図書:】
秋山俊夫:『木材のリサイクル』, 産調出版株式会社,(1998.8.18)】
⇒形状により利用の幅は限られていることがわかるが、重複する利用法が少なくない。建築解体材(以下、建設発生木材と記す)は現在半数近くの量が再利用・再生利用が行われていないが、利用法が無い訳ではなくただ利用する体制が整っていないため利用が進んでいないのではないだろうか。
◆現在の木質バイオマスの利用状況
製材工場等残材は90%以上が利用され、建設発生木材は60%が利用されている。間伐材等林地残材は未利用である。
【出典:農林水産省:バイオマス・ニッポンホームページ『バイオマスの利用状況』】
⇒定義からすると木質バイオマスは、製材工場等残材、建設発生木材、林地残材の三つに収まらない。
=感想=
木質バイオマスについてとりあえず分かっている事を端折り気味にまとめた。以上にあげた木質バイオマスの利用の可能性は、このような利用法があるということを大まかに知ってもらうために記載した。実際はここに記されていない利用法もたくさんあることを認識しておく必要がある。
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