前回の「花」に続いて、41話以降を勝手に妄想しながら書いたSSSです!! 41話のネタばれ有でシリアスです。
来週の予告で、なんかアンドロポフがクルックを逃がしそうだな~とか、クルック裏切らないかなー(期待)とか、ロギ様の余裕の表情の訳とかやったら気になります。しかも、タイトルは「覚醒」。えーーっと…、誰が? なんでしょうね☆ やっぱ次回予告のロギ様新たな影を発動、それはクルック! なんでしょうかー。
えっと、前置きは長くなりましたが、話は41話直後、軟禁の部屋に戻ったクルックの話です。
「迷い」
――帰りたくない。と言えばウソになる。
クルックはまたあの広い客室に戻ってきた。扉が閉められると、誰もいないこの部屋は本当に何の音もしないようだった。クルックはベッドの近くにある椅子に座って、窓から外を眺めた。
――でも、私はどんな顔をしてみんなに会えばいいんだろう。
『もう一度言う。ゾラは光の戦士の末裔ではない』
ロギが残した言葉が、クルックの頭の中でぐるぐると回っていた。クルックは、ゾラのことをあらためて問われて何も答えることができなかった。ゾラのことを何も知らなかった。それを教えられたような気がした。以前はそれでも良かったのかもしれない。自分とゾラとみんなとの間には、世界を蹂躙するグランキングダム、そしてネネを倒すという目的があったのだから。
――でも、今は、どうなんだろう?
クルックはまた始まった旅をネネとの戦いの延長線上にあるものだと思っていた。ロギ達との戦いだって、以前と意味合いは変わらないはずだった。でも、本当は戦う必要がないとしたら?
――守りたい。ただその一心で戦ってきたのに…。
クルックは多分ゾラに会えば聞かずにはいられない。どうして旅を続けるのか。ゾラの目的は何なのか。そして、ロギが言った言葉を。
そこまで考えてクルックは横に首を振った。聞いた後のことを、考えたくなかった。
外の陽はいつの間にか落ちて、夕闇が空を包もうとしていた。
PR