:これも閑話その2:
「望む望まないに関わらず・・・か。まったく、セオドアの連中に世話になるとはな」
「それじゃあ、あのまんま助けられないままでも良かったって言うのか」
「あんたらの世話になんなくても、それくらい余裕さ」
ショーンは鼻で笑うと目を伏せた。アレスはむっとしたが、声を押さえて続けた。
「ちっさいブライアンは可愛くねえな。ありがとうの一言もいえねえのか」
「言う必要がどこにある。そうゆうお前も憎たらしくてこの上ないな」
「・・・・・・あっはっは。そりゃそうだ。僕たちは別に礼を言われたくて助けたわけじゃないからな。成り行き上、偶然そうなっただけだ」
「はあ?」
ショーンは訝しげにアレスを見た。アレスは思いのほか朗らかに笑っていた。
「お前がどう思っていても僕は構わない。セオドアが嫌いならそれはそれで構わないさ。僕は気にしない」
「バカじゃないか、お前」
「僕の名前はアレスだ。小ブライアンもバカじゃないなら、それくらい覚えたらどうだ」
ショーンは悔しそうに顔をゆがめると、そっぽを向いた。それがすねているように見えて、アレスは可笑しくて笑った。
「そうだ。賭けをしないか」
「賭け? どんなだ」
「僕たちはお前たちを無事にグランビル国に送り届ける。いや、ブライアン達なら自分たちでも帰れるかもしれないな。だから・・・」
「どうゆうことだ、はっきりと言え」
「ブライアン達がグランビル国に着いた時、僕たちが一緒にいたなら僕の勝ち。いなかったなら、小ブライアンの勝ちだ。僕が勝ったら・・・・・・」
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