くらーい話を書いてしまいました…。クルックで一人称で、sssです。なんか私自身のテンションの落ち込みも含めてとにかく暗い。救いがないかもしれない暗いので、先にすいません。と謝っておきます…。
タイトルは「夢の終わり」です。個人的副タイトルは「不安と後悔と終わりなき懺悔」。やっぱりもんすご暗いかも。(でもそれほどでもないかもしれない。)
「夢の終わり」
ひどく暗い夢だった。
思い返すのは本当にそれだけ。
覚めることができて良かったと思えた。
みんなが近くにいてくれて良かったって思えた。
私はどこかを歩いていた。そうどこか。場所は分からない。だって、右も左も見渡せないほど黒いもやみたいなものに覆われていて、先が見通せなかったから。どこだかわからなかった。
「シュウ―っ。ジーローっ。みんな、どこなのー?」
声はすぐに景色の中に溶け込んでいった。気付いた時は一人だった。私は一人で歩いていて、目的地がどこなのかも、どうすればいいかもわからずに歩いていた。立ち止まると不安に押しつぶされそうだった。
――私、戻ってこれたのに…。でも、だから、みんな…こんなことになっちゃって…。
不意に頭の中を広がっていく闇が思い浮かんだ。その中に消えていくバンダナを巻いた一人の女性。その背中を見つめながら、自分は何もしなかった。心のどこかで警鐘がなっていたにも関わらず、何もしようとしなかった。
――こんなことになったのも…。
闇から出てきた魔物に捕まってロギの部下が消えていった。つんざくような悲鳴がまだ耳に残っている。耳をふさいでも、不意に聞こえてくるような気がした。胸がぎゅっとわしづかみされたように苦しかった。
『これから世界ってどうなっちゃうのかな』
『俺の村があれに飲み込まれたら…俺は嫌マロ…』
――嫌だ…。聞きたくない…。
脳裏に浮かぶ光景、否応なしに聞こえてくる声。すべてを忘れて目をつむり、耳をふさげたらどんなにいいだろう。そうとさえ思ってしまうほどに苦しかった。
「ブーケーっ。マルマローっ。お願い返事をしてーっ」
目から涙がこぼれるのがわかった。不安で仕方がなかった。この周りの状況が自分の責任だなんて思いたくなかった。自分のせいで沢山の人が犠牲になる。引き起こしたのは……、自分だった。
もし、私たちの村が闇に飲み込まれたら?
もし、お母さんたちが闇の魔物に食べられてしまったら?
「フェニックス―!」
不安や怖さ、震え。そういったものを胸の奥に押し込めて、私は叫んでいた。叫ばないと自分も消えてしまいそうな気がしたから……。
目を開くと、空はまだ暗かった。天蓋(てんがい)は、見えないが宿の窓から明け方前であることに気付く。慌てて周りを見回すと毛布に包まれて眠っているシュウやジーロが目に入った。
――夢……?
背中には冷や汗が流れていて、ひどく嫌な気分だった。それでもどくどくと嫌な音を立てている胸に手を当てると、少しずつだけれど落ち着いていくようだった。
――なんだろう…。すごく怖い夢を見た気がする。
頬に手を当てると涙の跡があった。夢を見て泣くなんて、とても久しぶりな気がした。
多分、怖い夢を見たのだろう。でも、周りにシュウやジーロ、ブーケにマルマロがいるのを見ると、その怖かった気持ちは落ち着いていった。
――なんだったんだろう。
落ち着くとまた、眠気がじんわりとまぶたを重くした。私は毛布にもう一度くるまるとまた目を閉じた。近くにみんながいる。そのことを確認できたから、なんだか安心して眠れるような気がしていた。
>>>>あとがき。
なんか、色々と中途半端な感じになってしまったような気がします。最後の締めが若干強引に…。あううう。orz
クルックなら責任を感じそうだということで、悪夢を見たりしたのでは? という思いで書きました。なんつか、悪い夢を見せて、ごめんなさいクルックって感じになってしまいました。
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